2020.5.5. 日本文化案内としてのユニークな視点 ”日本文化の核心 「ジャパンスタイル」を読み解く”
本書は日本文化解読のためのジャパンフィルターを手掛かりに、日本の歴史文化を ちら見しながら目の前の出来事、娯楽を読み解いたものです。米フィルター,仮名フィルター、神仏習合フィルター、面影フィルターなどが手掛かりになります。 ”あらすじ””まとめ””感想”の順に書いていきます。
あらすじ
<前半> 古代日本の共同体の原点について
1.「稲・鉄・漢字」と「柱の国」作り
2. 漢に学び、漢から離れる
3. 日本人の往来観
4 神様の正体
5. 「和」と「ヤマト」と「日本」
6. 「ヒルコ」から「えびす」へ
<中盤> 日本の型、システム、学びについて
1. 型、間、拍子
3. 「まねび」から「まこと」へ
4. ブランドとしての「家」
5. バサラの系譜
6. 庭と経済
7.「粋」と「野暮」
<後半> 現代日本に広がる症状ついて
1. 祝詞に残る情報文化の起源
2. 権力が行方不明の国
3. 「おもかげ」と「うつろい」
まとめ
本書は日本の社会を生命観、歴史観、文化観を通して編集的な日本像を描こうとした スケッチブックです。あらゆる現象を情報化し、次に編集化を行ってきた日本文化は わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があるのです。
感想
日本文化のすばらしさを「たらこスパゲッティ」「忌野清志郎」「AKIRA」などの切り口で表し、文化や哲学を解説する為に「愚管抄」「五輪書」「茶の本」「夜明け前」に戻ろうと言う著者の視点はユニークです。「ジャンル」や「時代」や「思想」を飛び越え、同時に解読するという試みは刺激的で新鮮でした。